「 ……がさつだったが、物事すべて明るく輝いていたあの時代。物資は乏しかったがお互いの間に優しさが満ち溢れていたあの創世記。お腹には何も入っていなかったが、胸にはちきれそうな、理想と希望があったあの頃。 」
――あの『キャッツ』がロンドンで誕生する十年前に、井上ひさしが世に送り出した、ネコだけ が主役のミュージカル『十一ぴきのネコ』。この作品で現代演劇を牽引する長塚圭史が、井上戯曲 を初演出にして初ミュージカルに挑む。音楽は、数々の井上戯曲に名曲を添えた作曲家・宇野誠 一郎の楽曲をベースに、荻野清子が新アレンジ。現代日本に対する痛烈な風刺をはらんだ問題作で、 北村有起哉、山内圭哉をはじめとする演劇界の猛者どもがネコになる!にゃー!
あらすじ
「ご飯にありついたのは一体いつのことだったかな?」野良ネコにゃん太郎は、
いつもお腹をすかせていた。空腹だけど僕にあるものは何?と考えてみた……。
家、仕事、お金、財布、親、子ども、それとも運。どれもこれも、ないないづくしで何も無い。
だから野良ネコなのだ!
ところがにゃん太郎は、ある日思いもよらぬものを手に入れた。
それは、とても個性的な十匹の野良ネコ仲間であった。
友情を手に入れたけれど、ないないづくしの野良ネコが十一ぴき集まったところで、
ペコペコのお腹が満ちることは決してなかった。そんなとき鼠殺しのにゃん作老人に出会い、
目の覚めるような話を聞いてしまった。
「あの星の下に大きな湖があって、そこには途方もない大きな魚がいるそうな」
また「その魚は十匹や二十匹じゃとても食べ切れぬ大きさじゃそうな。」
みんなで肩寄せあって、ここに居たって、餓死するだけの野垂れ死。
一大決心、にゃん太郎を中心に十一ぴきのネコが大きな魚を求めて大冒険の旅に出た!
空腹すぎて眠れないけど、夢にまでみた満腹感を味わうことが出来るのか?
子ども と その付添い のための ミュージカル